[引退会見で鳴らした警鐘]「頭を使わない野球」の現状とは

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[引退会見で鳴らした警鐘]「頭を使わない野球」の現状とは

posted2025/02/15 09:00

[引退会見で鳴らした警鐘]「頭を使わない野球」の現状とは<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

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Naoya Sanuki

申告敬遠やタイブレーク導入などゲームの根幹に関わる数多くのルール変更。数字的根拠を重視したデータ偏重の流れは、選手の心理を置き去りにする。イチローが危惧し続け、現在も不可逆的に進むメジャー野球の変質とは――。

 今から6年近くも前のことになる。

 2019年3月21日。イチローさんは自らの引退会見でメジャーリーグの野球に対し、警鐘を鳴らした。

「2001年に僕がアメリカに来てから、2019年現在の野球はまったく違ったものになってしまった。頭を使わなくてもできてしまう野球になりつつある。野球は頭を使わないとできない競技。危機感を持っている人は結構いると思います」

 メジャーの野球は、その後も機構の“お偉いさん”たちによって随分と変えられた。

 ピッチクロックの導入、牽制回数の制限、イニング途中に交代で入った投手は打者3人に投げる(もしくはイニング終了まで投げ切る)、延長タイブレーク、内野手の極端なシフト禁止、ベースの拡大による塁間距離の短縮など、ルール変更は多岐にわたる。それらの狙いは試合時間の短縮だ。近年の「本塁打か三振か」の大味な野球から、スピード野球への転換を目指しているともいわれる。

 ピッチクロックなどが導入された’23年シーズン。試合時間は前年の平均3時間4分から24分短縮し、2時間40分となった。

 また、因果関係があるのかは不明だが、観客動員も平均で9.1%増えた。NFL、NBA、NHLを含めた北米4大スポーツでMLBは唯一試合時間が読めず、長いと指摘され続けてきたが、試合時間短縮が一定の評価を得たともされている。

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