日本代表MF久保建英(ソシエダ)が18日、合流初日の練習後に報道陣の取材に応じ、所属先のスペインで敵地のサポーターから受けた人種差別発言に言及した。被害者となった久保は「僕自身は別に人種差別を受けたからといってどうってことはない」と冷静に受け流しつつも、自らが声を上げていくことへの責任感を口にした。
久保が報道陣の質問に答える形で言及したのは、1月19日に敵地メスタージャで行われたラ・リーガ第20節のバレンシア戦での出来事。途中出場に向けてウォーミングアップをしていた久保とバスク出身のFWアンデル・バレネチェアに対し、相手チームの観客から人種差別的な発言が向けられたことだった。
ソシエダは試合後、SNSを通じて「中国人、目を開けろ」といった言葉が収録された映像を公開し、「人種差別やその他の侮辱を強く非難する」と声明を発表。その後、スタジアムに設置されたカメラを通じて発言者が特定され、当該発言を行った2人にはスペインの反暴力委員会から罰金4000ユーロ(約62万5000円)と1年間のスポーツ会場入場禁止の処分が下されていた。
久保はこの事案について「僕自身は別に人種差別を受けたからといってどうってことはない」と気丈に振る舞いながらも、スペインで暮らす日本人への思いを寄せつつ、反差別のメッセージを口にする理由を明かした。
「僕は久保建英というある種のブランドがあるからこそ、みんなから差別をされるわけではないですし、僕の集中を切らそうとして差別をしてくる人はいても、僕個人をアジア人という枠で差別をしてくる人はいないので、僕としてはそんなに気を悪くすることはない。でも僕じゃない、スペインで仕事やビジネスを頑張ろうとか、学生でやっていこうという人が同じように差別をされることは僕としては許せるものではない。だから僕のように立場がある人間が人種差別を受けた時にはしっかり対応していきたいなと思います」
スペインでは近年、久保ら日本人やアジア出身者だけでなく、FWビニシウス・ジュニオールら南米出身者、各クラブに多数所属するアフリカ出身者が数多く人種差別発言の対象となっており、社会問題として対策が行われている最中。久保は「試合中に差別されたと言って僕が怒ることは絶対にないですね。超えてはいけないラインを超えられたら怒ることもあるけど、試合中はそういったものも含めて文化だと思っているのでしょうがない」と試合中には集中力を乱されない意識を持っていると明かしつつも、差別には毅然とした対応を続けていく姿勢を見せた。
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