
ドジャース 佐々木朗希 キャンプで初めて実戦形式の投球練習
大リーグ、ドジャースの佐々木朗希投手がアリゾナ州で行われているキャンプで初めて実戦形式の投球練習に臨み、スプリットで三振を奪うなどのべ9人のバッターに対してヒット性の当たりを1本に抑えました。

3月東京で行われるカブスとの開幕シリーズ2戦目で先発登板が見込まれている佐々木投手は、アリゾナ州でのキャンプでこれまで3回ブルペンに入るなど順調に調整を進め、19日はこのキャンプで初めて実戦形式の投球練習に臨みました。
マイナー契約ながら、注目の佐々木投手が初めてバッターと対戦するとあってグラウンドには球団幹部や選手など20人以上が集まり、大谷翔平選手や山本由伸投手も練習を見守りました。
打席には去年のリーグ優勝決定シリーズでMVP=最優秀選手のエドマン選手や、佐々木投手に背番号「11」を譲ったベテランのロハス選手などが入り、佐々木投手はストレートやスプリット、それにスライダーを織り交ぜながら休憩を挟んで2セットで合わせて27球を投げました。
エドマン選手にはストレートをセンター前に運ばれたものの、ロハス選手をスライダーで力のない外野フライに打ち取ったほか、大リーグ通算でホームラン169本を打っているエディ・ロサリオ選手からはスプリットで三振を奪いました。
佐々木投手はバッターのべ9人と対戦してヒット性の当たりは1本のみで2つの三振を奪い、実力の高さをアピールしました。
関係者によりますと、ストレートの最速は152.8キロだったということです。
また、練習前に取材に応じたロバーツ監督は今後の佐々木投手の予定について、もう一度ブルペンでの投球練習を経たあとにオープン戦で登板する予定だと明かしました。
およそ1か月後に迫った開幕シリーズでの大リーグデビューに向けて、調整の段階をさらに上げられるか注目です。
一方、前日ブルペン入りした大谷選手はこの日は休養日で、20日にカブスとのオープン戦初戦に先発する予定の山本投手はブルペンに入って12球を投げる軽めの調整で翌日に備えました。
佐々木朗希 “ブルペンの感覚よりはいい状態”

練習のあと取材に応じた佐々木投手は「最初だったので感覚を確かめながらだったが、ブルペンの感覚よりはいい状態で投げられたかなと思う。後ろで見ていた選手が思ったより多かったのでびっくりはしたけど緊張はしなかった。全体的なまっすぐのスピード感と、コントロールも構えたところにある程度いったのかな」と話し、一定の手応えを感じている様子でした。
1セット目と2セット目の間の休憩中にはサイ・ヤング賞を2回受賞しているスネル投手と数分間話し込む姿もあり、「ピッチングのことというか、自信を持っていけみたいな感じ」とアドバイスをもらったそうで2セット目ではヒット性の当たりを許しませんでした。
そして「もちろんまだベストなボールは投げられていないが、1セット目よりも2セット目の方がスプリットがよくなっていた。そういうのを何回も繰り返して、シーズンでいいパフォーマンスができるようにやっていくしかない」と前を向いていました。
対戦した打者 “球威もノビもある”

現状はまだマイナー契約ながら、開幕ローテーション入りも見込まれる23歳の有望株のピッチングを見ようと、グラウンドには球団幹部のほか、大谷選手や山本投手、ベッツ選手、フリーマン選手など主力選手が勢ぞろいして熱い視線を送り、佐々木投手への高い期待を象徴する光景となりました。
ボールを受けた主力キャッチャーのスミス選手は、「みんながどんなものか期待しているボールを受けることは楽しかった。変化球はかなり動くし、どんなボールが来るのか想像もできなかった」と初めてバッターを相手に投げた佐々木投手のピッチングを評価しました。
また、この日唯一のヒット性の当たりを打ったエドマン選手は、「これほど多くの人が練習を見ようと集まるのを見たことはなく、楽しい環境だった」と笑顔で振り返り、「長身を生かした、球威もノビもあるいい速球だった。今シーズン彼の後ろでプレーするのが楽しみだ」とシーズンでの活躍に期待を寄せていました。
スプリットに空振り三振したロサリオ選手は「実際に打席に立って彼がどんなピッチャーかわかった。打ちたかったが、スプリットは内側に動きながら落ちたり、外側に動きながら落ちたりで、地面に吸い込まれていくようだった。まだ調整中だと思うが、並のボールではない」とスプリットへの印象を話しました。
このキャンプでいちばんの注目を集めた27球は、佐々木投手の確かなポテンシャルの高さを示すものとなりました。