佐々木朗希の乱調「まだメジャーのローテはしんどい」
――山本由伸、今永昇太が好投した一方で、佐々木朗希は3回56球を投げて5四球、1失点と制球に不安を残す内容でした。メジャー初登板の率直な印象を聞かせていただけますか? 山下大輔(以下、山下) たった1試合ですから、それだけで判断はできないんですけども。正直、山本や今永のタフさと比べると、佐々木の身体的な幼さ、未完成な印象というのは感じました。まだ若いですし、芯の強さが足りていないのかな、と。 ――初回は160km台を連発するなど、勢いを感じさせる投球でしたが……。 山下 コンディション的にそんなに出来上がっていないのに、最初から飛ばしているなと思いました。相当気持ちが入っていたんでしょうけど、1球1球が全力投球で、ちょっと力が入りすぎていたかな。あのまま4、5回まで投げられたらすごいことですけども、このペースでいったらなかなかもたないんじゃないか、と。持っているもの以上のものを出そうとしすぎた。結果的に2回、3回ですでにちょっとバテてしまっていた印象です。 ――ピッチクロックやボールへの適応も制球が乱れた理由のひとつなのでしょうか。 山下 それよりもバランスを崩していたことが大きいですね。もちろん3月ですから、フィジカル的にはピークの状態ではない。ただマウンドでの余裕のなさは気になりました。あのペース、あの精神状態で常に全力で投げていると、長いシーズンのローテーションピッチャーとしてはしんどい。そこはメジャーの壁ですよね。相手バッターのパワーやボールの待ち方も変わってくるので難しいところはあると思いますが、5回まで投げる試合をどれくらい作れるかな、という不安は感じました。