<練習試合:ヤクルト-ロッテ>◇18日◇沖縄・浦添 今キャンプの視察で最後になったロッテは、ヤクルトと練習試合だった。ヤクルトは3度目の視察で、ロッテをメインに視察するつもりだった。しかし、今試合は奥川が先発予定だと聞いていた。調子がいいと聞いていたし、どうしても気になってしまっていたが、アクシデントで先発を回避。ここまでの投球は動画で見ていたが、投げ方そのものが変わっていなかった。やはり投げ方そのものを改善させる必要があるのだろう。残念でならないスタートになってしまった。 そこで気を取り直してメインテーマのロッテに戻る。予想以上に良かったのが、高卒3年目で先発した田中晴だった。球場のスピードガンでは140キロの後半だったが、打者の反応を見てみると、それ以上に速く感じた。球場に設置されているスピードガンは遅く表示されるため、スコアラーに聞いてみると「150キロは超えていました」と教えてくれた。 結果も3イニングを投げてパーフェクト。バックネット後方で見ていたため、正確な球種は分からなかったが、真っすぐを微妙に変化させているように見えた。カウントを取りにいく変化球でもストライクが取れていた。今季は先発ローテに入って活躍できるレベルに達していた。 ロッテは佐々木がドジャースに移籍。ソフトバンクからFAで獲得した石川柊は、大きなカーブがあり、強風で変化球が生きる本拠地では合うはず。ただ、佐々木の抜けた穴を1人で埋めるのは酷だと思っていたが、田中晴がシーズンの3分の1でも先発で回ってくれれば十分に佐々木の穴は埋められると感じた。 ただ、長打力に欠ける打線は相変わらず。安田もヒットを放ち、山口も2ランを放ったが、打ち方そのものは変わっていない。2年目の上田もそれほどの上積みは感じなかった。ロッテの打者はトップを作ってからドーンと打ちにいく打者が多い。バットは外側から出やすく、速い真っすぐには差し込まれ、変化球にはタメを作りにくくなる。 ルーキーの西川はフリー打撃でフルスイングしていた。スイング軌道はよく、パワーもある。ただ、ボールを引きつけて待てるような「間」が小さい。疲れもあり、割り引いて見る必要はあるが、プロのスピードや攻め方に慣れるまでは時間がかかるかもしれない。 長打に頼らず得点力を上げるのは、とても難しい。チームバッティングにこだわりすぎると、打撃そのものの技術は上がりにくくなりやすい。打力の弱いチームの最大の課題だと言っていいだろう。ロッテは毎年、しぶとい野球でAクラスに食い込んでいる。優勝するためのプラスアルファは長打力。どうやって弱点を補っていくのか、注目して見ていきたい。(日刊スポーツ評論家)
【宮本慎也】ロッテ田中晴は先発ローテで活躍できるレベル 石川柊とともに佐々木朗希の穴埋める(日刊スポーツ) – Yahoo!ニュース
