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「見てたら、残念な気持ちになると思う」イチローさんが“今の野球”に疑問を投げかけた真意…「こういう選手が今少ない」会見で語った言葉の深さ
posted2025/01/27 17:03

1月23日、米野球殿堂博物館で記者会見を行ったイチローさん
米国野球殿堂はニューヨーク州クーパースタウンにある。マンハッタンから北上すること車で315キロ。時間にして3時間30分ほどを要する山々の緑と湖に囲まれた美しい街だ。だが、イチローさんの殿堂入り祝典が開かれた1月23日は寒さ厳しい真冬の真っ盛り。体感気温はマイナス10度を下回り、街の美しさを感じるにはあまりにも寒い時期だった。
イチローさんは殿堂博物館で行われた会見と囲み取材で喜びの気持ちを語ったが、同時に現役晩年から自身が疑問を抱き続けている今のメジャーリーグの野球、風潮に一石を投じることも忘れなかった。筆者はその場で生の声を聞くことはできなかったが、関係者を通じその音声を確認することができた。そして、イチローさんが熱く語るその言葉に深く同意させられることとなった。
イチローが指摘した“タブレット使用”への疑問
博物館にはメジャーリーグ創成期となる1800年代後半からのグラブやバット、ボールの他、ベースやプレートも展示されている。その歴史に触れながらイチローさんはまずこんな言葉を残した。
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「当時の野球を自分なりに想像してみる。で、そういういろんな時代を経て、今があるという気持ちに必ずなる。それがすごく大事だなと思うんですね。今の現役の選手たちっていうのは、とにかくタブレット上でいろんなことがわかる。それはすごくいいことでもあるんですけれども、ゲームとして見た時に、ファンの人がね、見ている前でこうタブレットを見てるっていうのはどうなんだろうとも思うわけですね」
今は選手たちのほとんどが、試合中のダグアウトでタブレット端末を見ている。数字的なデータであったり、自身の直前の打撃や投球の映像データであったり、その内容は様々だ。イチローさんはまずそこに疑問を感じている。
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